美容師の年間休日は何日?

美容師は、華やかな世界に見える一方で、修行期間が長く、労働時間が長いという話はよく耳にします。しかし、近年では美容業界全体で「働き方改革」が進んでおり、以前とは状況が大きく変わりつつあります。

この記事では、これから美容師を目指す皆さんが知っておくべき「美容師の年間休日」のリアルと、プライベートも充実させられる「休みやすい美容室」を見極めるポイントについて解説します。

美容師の休日はどのくらい?

一般企業の会社員(土日祝休み)の場合、年間休日は約120〜125日と言われています。では、美容師の場合はどうでしょうか。

美容室の規模や地域によって異なりますが、美容師の平均的な年間休日は85日〜105日程度が相場と言われています。一般企業と比べると、どうしても少なくなってしまうのが現状です。

なぜこのような差が出るのか、内訳を詳しく見ていきましょう。

月6〜7日休みが目安

美容業界で最も一般的な休日の設定は、「月6〜7日休み」あるいは「月8日休み」というスタイルです。

  • 月6〜7日休みの場合:毎週の定休日(火曜など)+月に2〜3回の公休
  • 隔週週休2日制:1週目は1日休み、2週目は2日休みを繰り返すスタイル
  • 完全週休2日制:毎週必ず2日の休みがある(大手サロンなどで増加中)

例えば「月7日休み」で計算すると、7日×12ヶ月=84日。これに夏休み(夏季休暇)や年末年始休暇(冬期休暇)がそれぞれ4〜5日程度加わり、合計で年間95日前後になる計算です。

最近では求人票に「完全週休2日制」を掲げるサロンも増えてきましたが、業界全体で見ればまだ「月6〜7日休み」がスタンダードであると認識しておいた方が良いでしょう。

労働基準法の基準どおりに年間休日は確保できる?

「これって法律的に大丈夫なの?」と不安に思うかもしれません。

労働基準法では、休日の最低ラインとして「毎週少なくとも1回の休日、または4週間を通じて4日以上の休日」を与えることが義務付けられています。そのため、4週間を通じて4日以上の休み(法定休日)が確保されていれば、法律上の基準はクリアしていることになります。

しかし、問題になるのは「労働時間」との兼ね合いです。法律では「1日8時間・週40時間」が労働時間の上限です。美容室の営業時間は長く、拘束時間が長くなりがちです。そのため、多くのサロンでは「変形労働時間制」という制度を採用し、忙しい日と暇な日で時間を調整したり、残業代として処理したりすることで、法的な整合性を保っています。

学生の皆さんが覚えておくべきなのは、「法律ギリギリのライン(月4〜5日休み)」なのか、「スタッフの生活を考えて余裕を持たせている(月8日以上)」なのか、サロンによって経営者の考え方が大きく異なるという点です。

美容師の有給休暇は取りやすい?

「休みが少ないなら、有給休暇を使って休みたい」と思いますよね。正直にお伝えすると、かつての美容業界では「有給はあるけど使えない(使いづらい雰囲気がある)」という店舗が多く存在しました。しかし、2019年の労働基準法改正により、「年10日以上の有給休暇が付与される労働者には、年5日の有給休暇を確実に取得させること」が義務化されました。

これにより、美容業界でも状況は改善されています。

  • 自由に使えるパターン:ライブや旅行など、好きなタイミングで申請できる。
  • 計画付与されるパターン:お店の定休日や夏休みとくっつけて、「大型連休」として消化する。

今の美容室では、後者の「お店のお休みとセットにして連休を作る」スタイルが主流です。これにより、以前は難しかった「美容師が1週間海外旅行に行く」といったことも、サロンによっては可能になってきています。

休みやすい美容室を選ぶポイント

せっかく美容師になっても、激務で体を壊してしまっては元も子もありません。長く楽しく働き続けるためには、サロン選びが命です。求人票を見る際、特にチェックすべき3つのポイントを紹介します。

シフト制を採用しているサロンを選ぶ

「毎週火曜日定休」などの固定休みだけでなく、「シフト制」を導入しているサロンは比較的休みやすい傾向にあります。

シフト制であれば、「今月は土曜日に友人の結婚式があるから休みたい」といった希望が通りやすくなります。完全に固定された曜日しか休めないと、冠婚葬祭やイベントへの参加が難しくなるため、柔軟な働き方を求めるならシフト制(または希望休が出せる制度)があるかを確認しましょう。

スタッフ人数が多い店舗を選ぶ

これは非常に重要なポイントです。スタッフの人数=休みの取りやすさ と言っても過言ではありません。

ギリギリの人数で回している小規模サロンの場合、あなたが一人休むだけでお店が回らなくなってしまうため、体調不良でも休みづらいというプレッシャーがかかります。一方、スタッフ数が多い店舗やチェーン店であれば、誰かが休んでも他のスタッフがカバーできる体制が整っているため、有給休暇や希望休が通りやすくなります。

年間休日数・有給取得率をチェックして選ぶ

求人票を見る際は、給与(初任給)の高さだけでなく、必ず「年間休日数」の欄をチェックしてください。

  • 年間休日105日以上:美容業界としてはかなりホワイト。プライベートも充実しやすい。
  • 有給消化率100%推奨:この記載があるサロンは、スタッフの満足度を重視している可能性が高い。

また、サロン見学(サロン実習)の際に、先輩スタッフに「夏休みは最大何連休くらい取れますか?」と具体的に聞いてみるのもおすすめです。リアルな実態が見えてきます。

まとめ

美容師の年間休日は、一般企業に比べるとやや少ないのが現状ですが、業界全体として改善傾向にあります。

  • 平均は年間85〜105日程度
  • 完全週休2日制のサロンも増えている
  • 法改正により、年10日以上の有給休暇が付与される人については、最低5日は実際に取得できるようになってきている

「カリスマ美容師になってバリバリ働きたいから休みは少なくてもいい」のか、「プライベートも大切にしながら長く働きたい」のか。自分の理想のライフスタイルに合わせて、休日数や制度をしっかりチェックして就職先を選んでください。