華やかに見える美容師の仕事ですが、その裏側にはハードなスケジュールと地道な努力があります。美容師の一日の流れは、店舗の営業時間や規模によって異なりますが、一般的に拘束時間は長めです。また、一人前の「スタイリスト」と、修行中の「アシスタント」では、一日の過ごし方や役割が大きく異なります。ここでは、美容師のリアルな一日を、職位別のスケジュール例としてご紹介します。
美容師の朝は早く、夜は練習などで遅くなることが一般的です。サロンワーク(営業)を中心に、開店前の準備から閉店後のレッスンまで、それぞれの役割分担を見ていきましょう。ここでは、10:00〜20:00営業のサロンを想定した、スタイリストとアシスタントの一日の流れの一例をご紹介します。
スタイリストは、お客様への施術を担当し、売上を作るのが主な仕事です。また、アシスタントへの指示出しや技術指導など、教育係としての側面も持ち合わせています。
開店の30分〜1時間前には出勤します。店内の清掃状況のチェックや、予約状況の確認、レジ金の準備などを行います。朝礼では、その日の予約内容をスタッフ全員で共有し、スムーズに連携できるようミーティングを行います。お客様をお迎えする準備を整え、気持ちを高める重要な時間です。
開店と同時にお客様をお迎えし、サロンワークがスタートします。カウンセリング、カット、カラー、パーマなどの施術を行いながら、お客様との会話を楽しみます。予約が詰まっている場合は、複数の対応を並行して行うこともあり、瞬時の判断力と技術力が求められます。昼食は予約の合間を見つけて交代で摂りますが、忙しい日は短時間で済ませることも珍しくありません。
最終受付が終了し、最後のお客様をお見送りした後は、閉店作業に入ります。その日の売上集計や日報の作成、在庫の確認など、店舗運営に関わる事務作業を行います。また、翌日の予約状況を確認し、必要な準備を済ませておきます。
閉店作業後は、アシスタントの練習を見てあげる「後輩指導」の時間になることが多いです。カットのチェックやアドバイスを行い、技術向上をサポートします。自身の練習やミーティングがない日は、このタイミングで帰宅し、一日の疲れを癒やします。
アシスタントの一日は、「練習」と「サポート」が中心です。スタイリストデビューを目指し、営業前後の時間を有効に使って技術を磨きながら、営業中は先輩のヘルプに徹します。
アシスタントの朝はスタイリストよりも早く始まります。始業前の時間を利用して「朝練」を行うためです。その後、フロアの掃除、タオルや薬剤の補充、機材のチェックなど、お客様をスムーズにお迎えするための環境を整えます。スタイリストが来る前に、完璧な状態にしておくことが求められます。
営業中は、スタイリストの指示に従い、ヘルプ業務を行います。主な内容は、シャンプー、カラー剤の塗布、ブロー、床に落ちた髪の掃き掃除、使用済みタオルの洗濯など多岐にわたります。また、電話対応や受付業務を行うこともあり、お客様に快適に過ごしていただくための気配りが欠かせません。
スタイリスト同様、予約の空き状況を見て休憩を取ります。アシスタントは洗濯や片付けなどの雑務が多いため、まとまった時間が取れないこともありますが、隙間時間を見つけて食事を摂り、午後の業務に備えてエネルギーを補給します。
営業終了後は、一日のなかで重要な「夜間レッスン」の時間です。ウィッグ(マネキン)を使ったカットやパーマの練習、先輩をモデルにしたシャンプー練習などを行います。また、カットモデルを探すための「モデルハント(モデハン)」として、街頭での声掛けやSNSでのスカウト活動を行うこともあります。スタイリスト昇格試験の前などは、深夜まで練習が続くこともありますが、ここでの努力が将来の糧となります。
美容師の一日の流れは、立ち仕事であることに加え、営業前後の練習時間も含まれるため、体力的・精神的なタフさが求められます。しかし、アシスタント時代の厳しいレッスンを乗り越え、スタイリストとしてお客様に喜んでもらえた時の達成感は、何物にも代えがたいものです。一日の流れを理解した上で、目標に向かって努力を積み重ねることが、一人前の美容師への近道と言えるでしょう。